2019年11月11日月曜日

ぽた~じゅ屋✖️韓国⑤ 旅に命を吹き込むもの

お腹がいっぱいで、韓国の町並みも見慣れてくると、これ以上自分が何をしたいのか分からなくなってきました。なんとなくゲストハウスに向かって歩いていますが、途中、ショッピングをしたいわけでも、エステに行きたいわけでもないので、ただ歩くだけです。今までいろんな国を旅してきましたが、都市部はなんとなくどこも景観が似ているので一日歩いていると新鮮さがなくなってしまうのです。
「あぁ、明日もこうして1日中ひとりで歩き回るのか」と思うと、ちょっとげんなりしてきました。韓国の食べ物は美味しいですが、日本のように一人飯文化は浸透しておらず、二人以上でテーブルを囲う文化なので、どれもボリュームが多くて一人だと入りづらいお店も結構あります。
とりあえずそのまま歩いてホテルに戻って、ベッドに横たわりました。すでに夕方6時過ぎ、しばらく休んでまた市場に行くことにします。
かなり歩いたので、体がベッドに溶けていくようでした。そのまま気持ち良く眠れそうなのに心のどこかで何かを渇望している。それが引っ掛かって眠りに落ちることができずにいました。このままだと旅が生命感のないスカスカな状態で終わってしまう。足りていないのは何だろうとぼんやり考えていると、ふと、
「友達が欲しい」
という心の声が聞こえてきました。
「友達を作ってもっと深い旅にしたい」と。

すぐに「meetup 」という同好会アプリを開いて、今日、近くで開催されているイベントを探します。すぐに「日本韓国languae exchange会」なるものを見つけて、参加申し込みをしました。アプリ上では、40人の枠が39人まで埋まっていて、僕がラストの40人目と表示されています。「え、俺で最後?ついてる!何かの思し召し??」と一瞬思いましたが、人気のイベントに見せかけるためのフェイクかもしれません。「戦後最悪の日韓関係」といわれるこのご時世に、日本人と接したい韓国人が多くいるはずがない、と思いますよね。だから、多分5人くらいのこじんまりした会なんだろうと。まあ、それでも誰か一人でも仲良くなれる人がいて、明日ソウルの町を一緒に歩けたら最高です。
すぐに部屋を出て、弘大(ホンデ)という駅に向かいます。駅から会場まではすぐ。雑居ビルの2Fにあるカフェが会場でした。
ガラス張りのカフェ内を覗くと、ほぼ満席。イベントに関係のない一般客と思いきや、ほとんどが日本に関心がある韓国人の若者でした。40人の席はフェイクでなく本当に埋まっていて、この「日韓language交流会」は人気のイベントだったのです。参加者の8割が韓国人で、日本人は僕を含めて4人。あとは、海外からの留学生や旅人。40人が5つのテーブルに別れて思い思いのテーマで話をしていました。
主催者に振り分けられたテーブルにつくと、韓国人の若者達が目を輝かせて話しかけてきました。レベルはそれぞれ違うけど、十分伝わる日本語です。みんなアニメやドラマで独学で勉強していると言っていました。みんな口々に「日本人の友達がずっと欲しかったんだ」と。長い間勉強してきて、今日初めて生で日本人と話せた、という人もいました。
胸が熱くなりました。
韓国にはこんなに日本を好きでいてくれる人たちがいる。
この会に参加して、僕の韓国旅行は血が行き渡り授肉し始めました。

次回に続く。

0 件のコメント:

コメントを投稿