国道で友達の車から降ろされたことでスタートしたヒッチハイク旅は、
まだ寒い三月でしたので、夜は特に過酷でした。
所持金は5千円だけだったので、
宿に泊まるには路上で歌って投げ銭を稼ぐしかありません。
しかし、中々お金は集まらず、野宿するしかありませんでした。
凍るような寒さの日もあり、このままでは死んでしまうので、
昼は日当たりの良いところで眠って、
夜はヒッチハイクして移動することにしました。
そうすれば乗せてもらった車の中で眠ることが出来ます。
最初は、中々ゲットできなかったヒッチハイクも、
段々とコツをつかんできました。
コツは、まず停車している車のドライバーに声をかける。
この時は、家族づれなど、複数人のグループに対して声をかける方が安心されやすいです。
停車中の車がなければ、笑顔とギターを見せて安心感をアピールをする。
「音楽で旅をする」ロマンに共感してくれる人は結構居ます。
「楽しそうなヤツだ」と相手に思ってもらえるのが肝心です。
この旅を通して、全部で50台以上の車に乗せてもらいましたが、
中にはおうちに泊めてくれて、ご飯まで食べさせてくれる人も居ました。
特に広島でお世話になったお宅では本当によくしていただいて、
あの時、あったかいご飯、お風呂、ベッドのありがたさを感じました。
数日前にいた大阪では雪が降ってきて、まったく車がつかまらず、
心が崩壊して、空に怒鳴っていました。
「クソォ〜、死んじまうぞ、雪やめよ。バカやろぉ〜」と。
寒さって、本当に怖いです。
あっという間に気力を奪い、精神的にも肉体的にも追い込まれていきます。
僕は、もの凄い寒かった大阪の夜とのコントラストがあって、
温もりがどれだけ人に安心感を与えるのかを知りました。
そして、今だに葉物野菜たっぷりの鍋を食べると、
あの日の食卓とリンクしてホッとします。
そんなこんなで、大勢の人の善意のリレーによって
静岡→名古屋→大阪→神戸→姫路→広島→福岡→鹿児島→大分別府温泉→フェリー→四国をグル〜っと→鳴門海峡→神戸→大阪→名古屋→静岡→東京の自宅
という風に、西日本を回って帰ってくることが出来ました。
「渡る世間は鬼ばかり」って嘘ですね
けっこう世の中、優しい人がいます。
少なくとも50人は優しい人がいる。
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